7gataの日記

たまに家庭教師やってます

成績が思うように伸びない人へ

まず最初に疑われる原因は「勉強不足」です。本人が自覚しているならば話は早いのですが、問題は「非効率な学習で時間を浪費している」場合です。

 

 

授業中にも繰り返し強調しますが、受験勉強には以下の三点が重要です。

 

 

1 問題を解くのに必要な体系的な理解と知識。そしてそれらの正確な暗記

2 1を動員して実際に入試問題を解く能力

3 2の洗練(正確かつ迅速に解く能力)

 

まず、(1)について

様々な塾に出入りする学生によく見られるのが(1)に対する異様な執着で、(3)の訓練を無意識に面倒くさがって枝葉末節の知識の暗記に固執し、時に大学レベルの参考書に手を出す人までいます。(自分もその一人でした。反省も含めてこの文章を書いています。)

このような生徒は「受験」勉強の本質を見失っているとしか思えません。受験勉強は大学以降で学ぶことの初歩的ステップにすぎず(その為いくつかの点で非論理的、妥協的です)、偏狭かついびつな知識を競ったところで何にもなりません。基本的に、知識は必要最低限にとどめるのが利口と考えます。

 

一方で問題を解くための知識がほとんどないのにもかかわらず、僕には理解できない「効率」を重視し、問題集を進めることだけを最優先にする生徒がいます。次々と解答を丸暗記していこうとしても、その場しのぎで、体系的な理解が伴っていないために、一ヶ月もしない内に忘れていき、結果的に膨大な時間をむだにする生徒が少なくありません。

 

 

 

次に(2)について

(2)の段階でなかなか先へ進めない人がいます。つまり、解説を読めば理解できるのに(または理解したと思っている)、実際に模試や試験の場になるとペンがすっかり止まってしまうタイプ。こういう人は一定の勉強をこなしているという自負があるため、勉強不足だと言われると戸惑いを感じることもあると思います。ところがこういう生徒の学習法を実際に吟味すると、実に要領の悪いことが多いです。

 

例えば、模試や小テストで解けなかった問題をきちんと(?)復習していると思いますが(復習しない人はめでたくもう一年浪人すると思います)、運命の分かれ道はこの「復習」にあると思います。

一定の知識があれば、模範解答や解説を目で追うことはそれほど難しくありません。そして、可能です。そして、その程度しか「復習」しない人は『復習した気になっている』のです。

 

出来上がった解答を理解できることと、実際に自分で解答を書き上げることの間にはとても大きなギャップがあります。これに気づいてない人は永遠にできるようにならないと考えます。

 

(以下は主に理系科目について)

 

自分の手を動かせ!

 

ある数学科の教授に高校生のころ「手」で考えろと何度もいわれました。

 

特に受験化学の問題などが5分悩んで解けなかったら、さっさと解答を参照しましょう。特に医学部志望の受験生は時間が圧倒的にたりないので、化学の演習ごときに時間を費やしすぎてはいけません。しかし、解答を目で追って「あぁ、なるほど、なるほど」と理解しただけでは何の勉強にもなっていません。

 

本当に大切なのは次のステップで、解答を理解したと思った後、再び該当問題を「自力」で解けるかどうかを確認て下さい。翌日、翌月、本当に自分がその問題を「自力」で解けるか確認にていますか?大抵の人はこれが出来ていません。ここに落とし穴があります。

 

例えば、一年間で色んな模試を受けてきたと思いますが、その問題をその場で解いてみて、「制限時間よりも短い時間で満点」がとれますか?百歩譲って、「制限時間で満点」がとれますか??以上のことが出来ないひとはもれなく「復習」してない人です。

 

たくさん演習しろ、と授業中ではいいますが、これは「色んな問題集を片っ端からやれ」という意味ではありません。ここにも落とし穴があります。受験化学においては、総合問題集は一冊か二冊で十分です。もし、手元にあるのが「化学 重要問題集」ならまず間違いありません。これ一冊を仕上げれば、東大化学でも合格に必要な点数はとれます。

 

この「仕上げる」にも落とし穴があります。解けなかったら解答をみて、解答を理解できなかったら、数日後に家庭教師に質問して、理解できれば次の問題へ、、、、

 

ほんと「残念」な勉強です。繰り返しになりますが、受験問題は「自分の手で解けなければ、全く意味がない」のです。一つの問題を(理解しただけで)自力で解けるようにならないまま次の問題にすすんで、また同じプロセスを繰り返す。再び最初の解けなかった問題を「復習」するのは何日後になるのでしょうか??すっかり忘れたころに復習しても、それは「復習」にはなりません。つまり、「初習」を繰り返しているに過ぎません。

 

だからこそ、復習は忘れす前にやりましょう!!!

 

そして「自力」で解けるようになるまで、何度も演習しましょう。

良問は繰り返し解く価値があります。

特に受験化学はとても体育会的な科目です。思考力と同時に、瞬発的な反射力と、試験時間いっぱい考え続ける持久力が必要です。最終的には反射的にガリガリ解く必要があります。

 

さらに、医学部受験生は問題が解けるかどうかというのは最終的に(3の段階では)問題になりません。まじめに勉強していれば、受験化学など誰でも解けるようになります。

 

しかし、誰でも合格点が取れるとは限りません。それは「時間」いう制約があるからです。

 

よって、同じ問題を10分で解く人と5分で解く人の実力は同じではありません。計算ミスの発生頻度にも影響がでてきます。ある問題を10分で解いた人がその問題をもう一度解く価値があるか、ないか??どうでしょう?

 

自分の「頭」でしっかり考えましょう。

 

解答時間こそ、実力の本質である!と考えます。